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水理環境ダイナミクス

水防災や各種の水域環境保全、具体的には土砂底泥や水質ガス交換から地球規模の水環境問題までの水理学的知見を得て、各種の新しい水工設計法を展開するためには、河川・湖沼・海岸・海洋などの河海水域での大規模な乱流現象とこれによる各種の乱流輸送問題を解明し、それによる水域環境の変化を予測する手法の開発が必要である。

本研究室では、従来の基礎水理学に関する研究成果を活用して、上述のより広い意味での水域環境問題ひいては地球温暖化や海面上昇対策等のグローバルな水環境システムを水理学・流体力学的に解明し、各種の乱流輸送問題を予測するモデルの開発をおこなっている。

教員

戸田 圭一 ( Keiichi TODA )

戸田 圭一教授(工学研究科)

研究テーマ

水災害に関わる様々な問題を、主に水理学的な観点から研究しています。また都市を含む流域の水問題や災害環境の問題も研究の視野に含めています。

連絡先

桂キャンパス C1棟 2階255号室
TEL: 075-383-3185
FAX: 075-383-3185
E-mail: toda.keiichi.4z@kyoto-u.ac.jp
http://www.water.kuciv.kyoto-u.ac.jp/member/toda/toda.htm

山上 路生 ( Michio SANJO )

山上 路生准教授(工学研究科)

研究テーマ

水深変化する非定常な複断面開水路流れ(洪水乱流)の乱流構造の解明を目的に以下の研究をおこなっている。

  1. 水平組織渦の非定常な発生・発達プロセスの解明
  2. 断面遷移を有する洪水乱流に関する3次元数値モデリングに関する研究
  3. 複断面洪水流れの3次元乱流特性に関する実験的研究

連絡先

桂キャンパス C1棟 2階256号室
TEL: 075-383-3187
FAX: 075-383-3187
E-mail: michio.sanjou@water.kuciv.kyoto-u.ac.jp
http://www.water.kuciv.kyoto-u.ac.jp/member/sanjou/sanjou.htm

岡本 隆明 ( Takaaki OKAMOTO )

岡本 隆明助教(工学研究科)

研究テーマ

多くの国内河川で砂州の高水敷化と樹林が進んでいますが,環境保全上,河道内の全ての樹木群落を除去することは不可能であるため流水の阻害となる樹木群落のみを正確に評価して伐採することが求められています.樹木群落を有する流れ場の抵抗則の解明を環境水理の視点から行っています.

  1. 樹木群落を有する流れ場の抵抗則の解明・粗度係数の評価
  2. 組織構造と植生水理パラメータの関係諸特性の解明とモデリング
  3. 画像解析,レーザー流速計による植生乱流の高精度計測
  4. 中小河川の河道閉塞による水害

連絡先

桂キャンパス C1棟 2階254号室
TEL: 075-383-3186
FAX: 075-383-3186
E-mail: takaaki.okamoto@water.kuciv.kyoto-u.ac.jp
http://www.water.kuciv.kyoto-u.ac.jp/member/okamoto/gyoseki.htm

研究テーマ・開発紹介

風波が発生する開水路における環境流体計測と物質輸送機構の解明

近年、地球環境問題が広く認識され、国家行政を含め多くの団体が世界規模で環境問題解決のため現実的な対処法を考案・適用し尽力している。しかし、環境問題解決に向けての包括的な情報は未だ不足かつ不明確で、適切な環境評価をおこなうための科学的知見や方法も必要とされている。例えば、地球温暖化問題に関して言えば、CO2の地球内の循環は不明な点が多い。特に大気・海洋間(水圏)の気体輸送過程は謎に包まれており、現在も現地観測を含め、流体力学的手法による現象解明が求められている。一方、水・空気界面現象は2相が複雑に乱流として相互作用を及ぼしあうもので、純理論的な扱いが困難であり、実験・数値解析による現象解明がおこなわれている。

本研究の目的は、水・空気界面乱流現象を解明し、スカラー輸送現象解明に貢献することである。また、研究内容して、(1)高精度レーザー流速計や画像処理流速計を用いて実験的に水・空気乱流現象を解明すること、および(2)多相乱流場を解明するための数値計算手法を構築し、実験的現象解明に対して相補的な貢献をおこなうことである。

水・空気界面流れの計測システム
図-1 水・空気界面流れの計測システム

複断面洪水流の水理乱流特性と制御法に関する研究

我が国は毎年洪水災害が頻繁に発生し多くの被害を受けている。また時空間的な非定常性を有する洪水流は河川環境にも大きな影響を与えるため、防災上および水域環境上の水工設計において非定常開水路乱流すなわち洪水乱流の水理特性を解明することは不可欠である。特に単断面から複断面への遷移プロセスを有する実河川の複雑な洪水乱流を解明するためには、3次元的な研究が必要である。従来国内外において、流体計算と実験水理学の両面で洪水乱流を3次元的に研究した例はほとんどない。そこで本研究ではこれまでに得た鉛直2次元場の非定常開水路乱流の研究成果をベースにして単断面-複断面の遷移を有する非定常開水路乱流の3次元解析を実験水理学と計算流体力学の双方からアプローチする。

具体的な研究項目を以下に示す。

  1. 3次元乱流モデルを用いた断面遷移乱流の非定常数値シミュレーション
  2. 可視化法による水平組織渦の発生・発達プロセスの解明
  3. 非定常な複断面開水路流れの抵抗特性に関する研究

複断面開水路流れにおける水平渦の3次元構造
図-2 蛇行複断面流れにおける水平渦の3次元構造

水生植生を有する開水路エコフローの乱流構造の解明と予測

実河川には多種多様な植生群が繁茂して,水生生態系を形成している.このような植生帯は重要な河川環境機能をもつ一方で,流れ場に大きな影響を与える.特に植生抵抗によって流速分布が変化して,組織乱流が発生する.これらの組織構造は浮遊土砂の乱流拡散や河床の局所洗掘を促進するから開水路植生キャノピー流れの乱流特性を解明することは水工学および河川環境上においてきわめて重要である.本研究グループでは,河川水域の生態系に及ぼす流れの影響に注目してPIV・LIFの同時計測手法を開発するとともに植生層内外の物質交換と乱流輸送特性の解明を進めている.

ecoflow
図-3 水生植生を有するエコフローの概念図

移動床開水路の乱流変調プロセスと河床波発達特性の解明と予測

本研究グループの研究対象は河川における土砂輸送機構であり、この機構は流れ(乱流)、土砂移動(流砂)および河床形状の三者が複雑に相互作用することによって構成されている。よって、開水路固液混相流において固相と液相を同時計測する方法を確立するとともに、乱流と流砂の相互作用のメカニズムを解明していく。また、河床波上流れにおける同時計測実験により、流砂と河床形状(河床波)の相互作用を解明する。これらの研究成果を総括することにより、河川における土砂輸送機構を詳細に解明する。

レーザーシートによって可視化された流砂輸送
図-4 レーザーシートによって可視化された流砂輸送

水環境域における3次元数値シミュレーション法の開発と応用

水域環境における乱流現象は複雑な3次元性を有するため,その全貌の解明には乱流計測だけでは限界がある.そこで数値シミュレーションによる予測が必要となる.本グループでは境界適合座標にLESを組み合わせた3次元乱流シミュレーターを開発し,様々な流れ場に応用している.

開水路ワンド流れ
図-5 開水路ワンド流れのLES結果の一例

都市水害とその対策

高度に発達し多層化した都市では、水害は思いもかけない 被害をもたらすことがある。都市特有の水害現象を理解し予測するために、数値シミュレーションモデルの開発や 水理模型実験を実施している。また、水害の防止・軽減策 をハードとソフトの両面から研究している。

主な研究課題は以下のとおり。

  1. 都市における水害の機構とその予測
  2. 都市特性を考慮した氾濫水理の研究
  3. 水害時の車に関連した諸問題に関する研究
  4. 都市水害の防止・軽減策に関する研究

kuruma
図-6 急傾斜地での車の漂流実験の写真

研究室ウェブサイト

http://www.water.kuciv.kyoto-u.ac.jp/