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計測評価工学

人が社会生活を営む基盤としての資源、エネルギーや廃棄物の問題は、人類の興亡に係わる重大な課題です。地下資源や化石エネルギーは涸渇問題の対策と解決を急がねばなりません。しかし今すぐにそれらに替わるものはなく、原子力エネルギーでは長い将来にわたって管理しなければならない放射性廃棄物が発生します。将来の新技術や新発見によるブレークスルーに期待しながら、それまでの時間は今あるリソースを最大限に活用しなくてはなりません。

当研究室では計測技術に基づき、

  1. 地殻にある資源やエネルギーの可採量を少しでも増やすため、計画的に効率よく採出する技術
  2. エネルギーなどの生産活動により発生した副産物(放射性廃棄物や二酸化炭素など)を処分するための技術術
  3. 年間採出量等を減らし、資源の涸渇時期を遅らせるため、一旦採り出した資源を有効に利用する技術

などに関する計測評価、非破壊検査の研究をおこなっています。

教員

榊 利博 ( Toshihiro SAKAKI )

photo_sakaki教授(工学研究科)

研究テーマ

放射性廃棄物を大深度地下に安全に処分するコンセプトの確立のために必要なモニタリング技術の開発、人工バリアを効率よく施工したりその後の挙動を計測評価する技術、地下における流体や熱の移動の評価などに関する研究を行っています。

連絡先

桂キャンパス C1棟 3階352号室
TEL: 075-383-3215
FAX: 075-383-3218
E-mail: sakakiimage_atmark.gifkumst.kyoto-u.ac.jp

塚田 和彦 ( Kazuhiko TSUKADA )

塚田 和彦准教授(工学研究科)

研究テーマ

大型機械設備の稼動効率向上技術や自動監視システムの構築に関する研究、構築物や機械設備の非破壊試験に関する研究を主なテーマとし、それらの計測システムに必要な電子回路設計技術などの基礎的研究、それらのデータの解析に必要な逆問題解析の理論的研究をおこなっています。

連絡先

桂キャンパス C1棟 3階351号室
TEL: 075-383-3216
FAX: 075-383-3218
E-mail: tsukadaimage_atmark.gifkumst.kyoto-u.ac.jp

保田 尚俊 ( Naotoshi YASUDA )

保田 尚俊助教(工学研究科)

研究テーマ

トンネルに代表される岩盤構造物の耐震性評価や維持管理に関する研究を行っている.最近の研究テーマは以下の通り.1) 地中構造物の地震時応答解析 2) トンネル背面空洞がその構造に与える影響の評価 3) レーザーを用いたコンクリート構造物の健全性評価 4) ロックボルトによる岩盤補強効果の解明。

連絡先

桂キャンパス C1棟 3階353号室
TEL: 075-383-7485
FAX: 075-383-3218
E-mail: yasuda.naotoshi.3ximage_atmark.gifkyoto-u.ac.jp

研究テーマ・開発紹介

新しい非破壊試験に関する実験とシミュレーション

従来の非破壊試験の方法では探傷が困難であったり、充分な精度が得られないことがあります。これらを克服するために次のような新しい非破壊試験法の開発の研究をおこなっています。

全磁束法によるワイヤロープの探傷

ワイヤロープのように軸方向に長い試験体では、長手方向に磁化飽和させた時、内部の傷の体積に比例して外部に現れる磁束(漏洩磁束)を把握すれば精度よく探傷が出来きます。この方法の装置と信号処理の改良の研究です(図-1)。

傷と漏洩磁束の関係の説明図(上)と全磁束法の計測システム図(下)
図-1 傷と漏洩磁束の関係の説明図(上)と全磁束法の計測システム図(下)

磁歪超音波法によるワイヤロープの探傷

超音波を利用する非破壊試験法は、試験体内部の情報がよく判るため、多く使われていますが、発振器を直接取り付けるための不都合が生じる場合もあります。強磁性体が試験体の場合、これを回避する方法としての磁歪超音波による非接触法の研究です(図-2)。

磁歪超音波による非接触探傷法の計測システム図
図-2 磁歪超音波による非接触探傷法の計測システム図

容量型プローブを用いる誘電性材料の探傷

近年、金属の代替材料として高分子複合材の使用が増加しており、これらに対する非破壊検査法の確立が急がれています。この要求を満たす方法のひとつとして、傷の存在による誘電率の違いにもとづく電場を容量型プローブを用いて測定する方法の研究です(図-3)。

傷の近傍の電位分布図と検出電圧(右下)の図とグラフ
図-3 傷の近傍の電位分布図と検出電圧(右下)

非破壊試験に関する基礎的研究

新しい非破壊試験法を開発したり、従来の試験法をよりうまく利用するためには、計測システムとデータ処理法の開発や改良が必要となります。この目的で次のような研究をおこなっています。

逆問題の初期値設定法と解法に関する研究

試験体に電流を流して電位を測り、内部の導電率分布を逆問題として解析する場合など、解析結果の信頼性は初期モデルの設定に係わります。比較的簡単な方法でうまく設定できる方法を開発する研究です(図-4)。

円板内の傷の同定逆問題の電位分布の1例(左)とバックプロジェクションによる初期モデルの図
図-4 円板内の傷の同定逆問題の電位分布の1例(左)とバックプロジェクションによる初期モデル

超音波速度分散特性の精密計測に関する研究

超音波法では色々な種類の波を利用することにより、精度よく内部の傷を同定することが可能です。それには種々の波の性質をよく把握しておくことが大切で、特に周波数と伝播速度の関係を把握しておく必要があります。これらを正確に測定する研究です(図-5)。

各種表面波の周波数と伝播速度との関係の実験結果(画像)と理論計算(プロット)のグラフ
図-5 各種表面波の周波数と伝播速度との関係の実験結果(画像)と理論計算(プロット)

多解像度解析によるデータの処理と融合に関する研究

非破壊試験は、複数の種類の試験法によって解析する方がより良い結果を得ることが出来きます。それぞれのデータを解像度を変えて処理を施し、必要な解像レベルで融合させることにより、それぞれの試験法の利点が強調された精度のよい結果を得るための解析システムの研究です(図-6)。

両面に傷のある板の過流探傷記録のデータ融合のグラフ
図-6 両面に傷のある板の過流探傷記録のデータ融合

大型輸送設備機器の運転管理システムに関する研究とその他の研究

長大斜坑巻上げ機(図-7)の監視システム

地下資源の採取や地下空間の利用には、アクセス手段として立坑や斜坑が必要になります。殆んどがワイヤロープを用いた巻上げ機によるもので、大型のものも出現し、その管理には新しい概念のシステムの構築が必要で、これらに関する研究です。

全長7000mの世界最長斜坑の巻上げ機(釧路炭坑提供)の写真
図-7 全長7000mの世界最長斜坑の巻上げ機(釧路炭坑提供)

架空索道の形態解析と動揺制御解析

山岳輸送に必要な索道は、個々の立地条件によって仕様が千差万別であるため、設計、管理計画は経験によってなされています。質点と実体要素を組み合わせた計算と実験を繰り返し、主索、洩索および搬器の動揺を少なくする方策を見出す研究です。

索道の支索、洩索および搬器の連成運動シミュレーションモデルの図
図-8 索道の支索、洩索および搬器の連成運動シミュレーションモデル

岩石の破砕に関する研究

トンネルの開削や地下空間の確保には岩石の破砕が必要です。爆薬による発破や、機械式のトンネル掘削機が一般によく用いられています。小規模な工事では、最近はより安全で、より手軽な「膨張薬」を用いた岩石やコンクリートの破砕がおこなわれています。この工法を効率的に実施するための研究です。

並列薬孔のブロック端から近い(上)遠い(下)による亀裂進展可能方向の違いの状況図
図-9 並列薬孔のブロック端から近い(上)遠い(下)による亀裂進展可能方向の違いの状況図

研究室ウェブサイト

http://cain.kumst.kyoto-u.ac.jp/