橋梁工学

経済性・耐久性・機能性を有する構造物の実現には、自然外力による構造物の応答を精緻に予測、評価し、設計に反映させることが重要になります。

本研究室では人間社会と風の関わりを焦点に、風の作用による構造物の応答現象を予測,評価するため、実験、解析を通じて強風や突風による災害の低減、予防、エアロダイナミクスに基づく構造物の空力弾性挙動の機構解明と制御、次世代の構造物耐風設計のあり方の探求、空力応答シミュレーション技術の研究開発に取り組んでいます。

教員

白土 博通 ( Hiromichi SHIRATO )

白土 博通教授(工学研究科)

研究テーマ

構造物の動的空力現象の発生機構について研究をおこなっています。 とくに、風の乱れに起因するバフェッティングの応答予測上重要な、変動空気力・変動圧力の空間相関構造の解明を目的に実験的、解析的研究をおこなっています。

連絡先

桂キャンパス C1棟 4階452号室
TEL: 075-383-3165
FAX: 075-383-3168
E-mail: shirato.hiromichi.8u@kyoto-u.ac.jp

安 琳 ( Lin AN )

安 琳准教授(工学研究科)

研究テーマ

コンクリート構造物に対する環境作用、材料劣化及び部材力学性能を評価と予測する方法について研究を行っています。特に、飛来塩分に起因した塩害の劣化機構を明らかにしたうえで構造物の各種要求性能の経時変化におけるシミュレーションモデルを構築することを行っています。

連絡先

桂キャンパス C1棟 4階451号室
TEL: 075-383-3166
FAX: 075-383-3168
E-mail: an.lin.4w@kyoto-u.ac.jp

研究テーマ・開発紹介

構造物のフラッター現象の機構解明に関する研究

構造物の運動に起因する空気力(自励空気力)の作用により、フラッター現象が発生する場合があります。この振動は構造物にとって破壊的な発散振動であり、フラッターに対する安全性は十分確保されなければなりません。

フラッターの発生機構を探ることは、進んだ耐風設計法の確立、安定な構造形態の開発に最も近道であり、当研究室では風洞実験による非定常空気力や非定常圧力の計測を通じて、空気力と応答との関連性を明らかにしてきました。すでに多くの安定な桁形状が見出されており、今後実用化への検討とともに、より正確な応答予測へ向けて研究を続けています。また異なるモード間で生じる渦励振、フラッター等が干渉する可能性を指摘し、異種空力振動現象間の空力干渉問題の解明にも取り組んでいます。

風洞実験施設の写真
図-1 風洞実験施設

斜張橋ケーブルの空力振動に関する研究

斜張橋のケーブルは、風と雨の状況下で振動するという現象がよく知られています(通称:レインバイブレーション)。当研究室では、この問題に長年取り組んできており、ケーブル模型を用いた風洞実験、屋外観測などをおこなっています。

これまでの研究で、この現象は、ケーブルが傾斜していることによって後流域に発生する軸方向流れ、雨水によってケーブル表面に形成される水路、渦の非定常かつ3次元的な振る舞い等が複雑に絡み合った現象であることが明らかとなっていますが、まだ不明な点も数多く残されており、さらなる解明を目指して、またより合理的な制振対策を求めて研究に取り組んでいます。

潮岬における大型ケーブル模型を用いた屋外観測の写真
図-2 潮岬における大型ケーブル模型を用いた屋外観測

変動気流中の表面圧力の空間構造に関する研究

風の乱れに起因するバフェッティングは常時生じるものであり、疲労や風荷重の評価にも密接に関連する空力振動現象です。構造物の振動の元となる空気力や圧力の時間空間相関(コヒーレンス)は、解析上構造物に作用する風速の特性に等しいと仮定されていましたが、実際には両者は異なり、空気力(圧力)の方が高い相関を示すことが近年指摘されています。

本研究はその相関度を上げるメカニズムを明らかにする事を目的としています。構造物側面に発生する剥離流れが重要であることがこれまでの研究で明らかとなっています。今後、断面固有の相関度を的確に評価する方法の確立など、応答評価の精緻化を目指します。

規格化部材を用いた合理的かつ環境負荷の小さい新形式橋梁の開発

規格化された部材を組み合わせることによる構造形式、設計法を考察すると共に、要素交換による長寿命化や社会の需要に応じた構造形態の進化を可能とする維持管理システムを開発に取り組んでいます。

まず各種橋梁を要素の集合体としてとらえ、それらの規格標準化された要素を再構成することで橋梁を設計することを考えます。標準化することによって、大量生産が可能となり、大幅なコスト削減が期待されると共に、材料として鋼を用いることで、撤去後の部材を新しい鋼として再利用することとし、環境負荷の低減を考えています。

研究室ウェブサイト

http://brdgeng.gee.kyoto-u.ac.jp/